当店の桜もちは「長命寺桜もち」として、古来より皆様のご愛顧をいただいております。桜もちの由来は、当店の創業者山本新六が享保二年(1717年)に土手の桜の葉を樽の中に塩漬けにして試みに桜もちというものを考案し、向島の名跡・長命寺の門前にて売り始めました。

その頃より桜の名所でありました隅田堤(墨堤通り)は花見時には多くの人々が集い桜もちが大いに喜ばれました、江戸に於ける桜もちの始まりでございます。

江戸風景小噺

桜もちのおいしい食べ方

以前、小沢昭一さんがお見えになったときにこんな小噺を教えてくださいました。

「ある人、桜もちの皮(葉)ごと食べるを見て、隣の人、旦那、皮をむいて食べた方がいいですよ。

あ、そうですか とそのまま川の方をを向いて食べた」川を向いて座れば、大川のゆったりとした流れと桜並木。そのまま春の日永をのんびりお過ごしください、きっとそれが、桜もちの一番おいしい食べ方でしょう。

隅田川向島絵図拡大

江戸当時の山本や付近の絵左にある長命寺の門前に見えるのが「山本や」。

当時からにぎわっていた様子が描かれています。